オフィスビルや複合施設で採用が増えているカーテンウォール。デザイン性と開放感が魅力ですが、大面積のガラス面がもたらす日射熱・眩しさ・空調負荷は、設計段階で向き合うテーマです。
本記事では、カーテンウォール建築の日射対策として有力な「外付け自動制御ブラインド」の特徴や選定のポイントについて解説します。
カーテンウォールで発生する日射関連の悩みは、大きく4つに分けられます。
カーテンウォールは開口面積が大きいため、Low-Eガラスを採用しても建物全体でみると日射侵入量は無視できません。特に南面・西面の高層部は、日中の室温上昇と冷房負荷の増大が起こりやすい部位です。
直射光や反射光による眩しさは、PC作業中心のオフィスワーカーの生産性を確実に下げます。WELL認証など光環境の評価基準が広がるなか、グレア対策は「あれば嬉しい」から「必須の設計要件」に変わってきています。
窓際(ペリメーターゾーン)は、外気温と日射の影響を最も強く受けるエリアです。ここの日射対策を後回しにすると、竣工後の空調ランニングコストが跳ね上がることになります。
カーテンウォールの魅力である「シンプルで透明感のあるファサード」を活かしたいのに、内側からブラインドが目立ってしまう。この意匠面の要求は、内付けブラインドで応えるにはどうしても限界があります。
カーテンウォールの日射対策で最初にぶつかる判断が、ブラインドを「窓の内側に置くか、外側に置くか」です。
室内型ブラインドの日射侵入率は約40%(※1)ですが、外付けブラインドは約17%まで抑えられます(※2)。日射侵入率が半分以下ということは、冷房負荷もそのぶん下がるという話です。
差が出る理由はシンプルで、内付けは室内側で日射を受け止めるため、遮った熱がガラス裏側にこもって室温を押し上げます。外付けは大気側で処理するので、そもそも熱を室内に持ち込みません。ガラス面積が広く熱がこもりやすいカーテンウォールほど、外付けの優位性がはっきり出ます。
※1 参照元:【PDF】国土交通省 開口部の日射取得性能および断熱性能の評価方法に関する調査(https://www.mlit.go.jp/common/000208396.pdf)
※2 参照元:豊和公式HP(https://www.kk-howa.co.jp/eco_blind/eco_blind.html)
外付け設置を前提にすると、屋外環境に耐えられる仕様がそのまま選定基準になります。押さえるべきポイントは5つです。
スラットは薄いほど折れやすく、寿命が短くなります。国内メーカー標準の約3倍の厚みを持つスラットや、遮光性・耐風性を高めるC形・S形・Z形といった断面形状の製品を選ぶと、長期運用にしっかり耐えます。幅は50〜80mm程度が、遮光と採光のバランスを取りやすい選択肢です。
カーテンウォールの外側は風の影響を強く受けます。風速10m/s以上に耐えるガイディング構造を備えた製品を選ぶことが、竣工後のトラブル回避に直結します。ダブルスキンキャビティ内に設置する場合も、キャビティ内で発生する風流を考慮した仕様が必要です。
屋外仕様のブラインドは、モーターの耐候性が命です。防水規格IP54以上の防塵防水モーターを採用している製品なら、雨風の多い日本の気候でも安心して運用できます。
単なる電動化ではなく、太陽追尾・時刻・照度センサー連動など自動制御まで踏み込んだ製品を選びましょう。手動運用ではどうしても「閉めっぱなし」になりやすく、採光と遮蔽のバランスを取り続けるのは現実的ではありません。
スマートビル化を進める場合は、既存のビル管理システムと連携できる通信プロトコルに対応しているか、チェックしてください。BACnet・KNX・Modbusが代表的な規格です。
製品を選んだら、次はどう動かすかの制御設計です。カーテンウォール建築で効くシナリオを3つ紹介します。
時刻と太陽高度に合わせて、スラット角度を自動で変えていく制御です。直射光を遮りながら自然光は取り込めるので、照明と冷房の両方でエネルギー削減が狙えます。
南面・西面など、方位ごとに日射条件が違うカーテンウォールでは、ファサード単位のグループ制御が欠かせません。制御信号を一括で送れる仕組みを持つ製品を選び、設計段階でグループ分けを計画しておきましょう。
風速センサーと連動して、規定値を超える強風時にブラインドを自動で巻き上げる制御を組み込みます。台風の多い日本の気候では、この機能の有無が設備の寿命を大きく左右します。
カーテンウォール建築の日射対策では、内付けブラインドで拾いきれない課題が多く、外付け自動制御ブラインドが最有力の選択肢になります。設計段階で押さえておきたいポイントは、スラットの厚み・幅・形状、風速10m/s以上に耐えるガイディング構造、IP54以上の防塵防水モーター、太陽追尾・グループ制御・強風退避を含む自動制御、そしてBEMS/BASとの連携プロトコル対応の5点です。
この5つを初期設計の段階で押さえておくと、竣工後のトラブルを避けやすくなるだけでなく、ZEB・BELS・WELLといった環境認証の取得にもつながります。カーテンウォールを採用する案件では、意匠設計と並行して外付け自動制御ブラインドの仕様検討を早めに走らせておくのがおすすめです。
階層・構造や人の出入りの多さなど、図面を引く建物によって適切な自動制御ブラインドは変わってきます。ここではオフィスビル・商業施設・戸建ての3つにわけ、それぞれにおすすめの取扱メーカーをピックアップしました。ぜひ導入の参考にしてください。

高い日射遮蔽効果を持つダブルスキン仕様のブラインドと、自然光を室内照明として取り込める自動制御システムにより、ZEBの日射遮蔽領域で高い効果を発揮。
オフィスビルの企業誘致で重要な、WELL認証の光環境項目をクリアしつつ、高い制御性能による加点も見込めます。

複合施設の大開口窓・天井部など、テーマ性のある特殊な構造にも対応できるシステムを完備。テナント入替後の設定変更も容易です。
また酸化チタンコート仕様のスラットなど、ホコリや雑菌がつきにくい製品を展開しており、人の出入りが多い商業施設において清潔さを保つことができます。

スマートフォンからブラインドの開閉操作ができるシステムを展開。ブラインドをIoT化することで、居住者の負担を軽減しつつZEH実現に向けた省エネが可能。
また、多彩なカラーやミリ単位でオーダーできるロールスクリーンにより、住宅コンセプトに合ったデザインを叶えられます。