こちらの記事では、健康経営やESG経営の観点から注目が集まっている「WELL認証」について解説しています。どのような認証制度なのか、評価項目や企業がWELL認証を取得するメリット、取得までの流れなどについてまとめています。
WELL認証(WELL Building Standard)とは、オフィス空間で過ごす人のウェルネスを重視し、生産性を向上させるための仕組みやスペースの効果的な使い方などを評価する認証制度です。簡単にいうと、WELL認証では従業員が身体的・精神的・社会的に良好な状態で働くことができるオフィスかどうか、という点が評価されます。 アメリカの国際WELLビルディング協会(IWBI:International WELL Building Institute)によって開発・運営されている制度で、第三者機関であるGBCIによって評価と認証が行われています。
2014年に誕生した制度であり、「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4つのランクがあります。評価は必須・加点項目を満たしているかを確認するための書類審査が行われますが、書類審査を通過した後は現地調査が行われ、その後最終審査を実施します。その結果、基準を満たしていると判断された場合はWELL認証を取得することができます。
また一度取得して終わりではなく、実際の運用状況が重視されるため、3年ごとの再審査が必要な仕組みになっています。
室内の空気が清潔で呼吸しやすい状態か、という点について細かくチェックされます。換気量や空気清浄の仕組み、汚染物質の管理などを通じ、従業員が安心して過ごせる空気環境かどうかが評価されます。
飲料水の安全性、味、においといった、日々利用する水の質について確認を行います。浄水設備の状態や有害物質の有無などをチェックすることにより、従業員が安心して飲める水が提供されているかを評価します。
オフィスで提供されている飲食物が、健康的な選択につながるものであるか、という点が評価されます。添加物やアレルゲンへの配慮がされているか、栄養バランスの取れたメニューを選択できる環境かといった点について確認が行われます。
自然光の取り入れ方、照明計画が従業員の目の負担を減らす設計かどうかがチェックされます。明るさが均一になっているかなど、そこで働く人が集中しやすい照明環境が整えられているかという点が見られます。
従業員が自然と体を動かすことができる環境となっているか、といった点が見られます。例として、階段を使いやすい動線か、座る・立つを切り替えられる家具が整っているかなどが確認の対象です。日常的に体を動かしやすい環境かどうかという点がポイントです。
室内の温度・湿度が適切に保たれているかどうかを確認します。空調の管理や、席によって温度差が生じていないかといった点などがチェックされます。従業員がストレスなく過ごせる温熱環境となっているかが見られます。
オフィス内の音が、従業員が働く際に妨げになっていないかを確認していきます。例えば、会話や機械の音、外からの雑音などがオフィス内で過度に響くといったことはないか、吸音材などを使用するなどと対策が取られているかなどをチェックします。
建材や仕上げ材に含まれている化学物質が、基準を満たしているかの確認が行われます。空気の質を守るために、素材の選定段階から維持・管理までトータルでの取り組みが求められます。
働く人が心理的に安定を保てる環境かをチェックします。休憩スペースや自然を感じられるデザインを導入するといったように、心身の負担を和らげられる工夫が行われているかが確認されます。
働く人同士が協力し合える関係を築ける環境かを確認していきます。情報共有の仕組みや交流を促進するスペースが整えられているか、組織文化としてサポート体制が用意されているかといった点が評価の中心となります。
WELL認証を取得するための取り組みは、企業の健康経営の推進につながることが特徴のひとつです。空気や光、音、温熱環境が整えられているオフィスは、そこで働く従業員の心身のストレスの軽減が期待できます。 このことにより、疾病による欠勤や、出勤していても体調不良によりパフォーマンスが下がっている状態を防ぎ、結果的に生産性の向上につながることが見込めます。
SDGsやESGへの投資が重視されている昨今、WELL認証という国際的な認証を得ることは、企業の社会的評価を高めるというメリットもあります。投資家からの評価の高まりや、対外的な企業ブランディングにおいても大きな差別化に繋げられます。
WELL認証を取得しているということは、「従業員の健康を大切にする、快適なオフィス」を整備していることを意味します。この事実は、採用市場においても大きなアピールポイントであるといえます。また、働く環境に対する満足度が高まれば会社に対するエンゲージメントも向上するため、結果として人材の定着に繋がっていきます。
WELL認証を取得しようとする際には、まずは書類審査を受けることが必要です。そのため、IWBIに登録した後、必要書類を揃えて提出します(登録はオンラインで行えます)。
IWBIの本部にて、提出された書類の審査が行われます。審査結果が通知されるまでは、20〜25営業日以内が目安となっています。また、この段階で不備を指摘された場合には速やかに修正・再提出を行います。
書類審査に通過した場合、IWBIによって現地調査が実施されます。IWBIとスケジュールの調整を行い、現地調査の日程を決定します。現地調査には3〜4日必要となり、環境測定やさまざまなチェックが行われます。現地調査の後、最終結果が通達されるまでは、現地調査を行ってから9週間後が目安となっています。
WELL認証を取得した後は、3年ごとに再認証を受けることになります。また、認証を受けた後も「各種状況のログ」「測定記録」「アンケート調査結果」などについて、1年に1回の頻度でIWBIに報告する義務が課せられます。
日本国内でもWELL認証への関心が高まっています。2017年には株式会社大林組が、大林組技術研究所(東京都清瀬市)本館テクノステーションにて、日本で初となるWELL認証を取得しました(※1)。その後、徐々に件数が増加。2024年2月までに150件が登録されており、うち2024年2月時点では49件が認証を得ています(※2)。
WELL認証は、建物の環境性能に加えて、そこで働く人の健康と快適性について、客観的に評価する制度です。空気や光、こころ、コミュニケーションなど10の項目から厳密に審査が行われており、認証を取得することによって従業員の健康維持や生産性の向上、企業価値の向上、人材定着といったようにさまざまなメリットが期待できます。
階層・構造や人の出入りの多さなど、図面を引く建物によって適切な自動制御ブラインドは変わってきます。ここではオフィスビル・商業施設・戸建ての3つにわけ、それぞれにおすすめの取扱メーカーをピックアップしました。ぜひ導入の参考にしてください。

高い日射遮蔽効果を持つダブルスキン仕様のブラインドと、自然光を室内照明として取り込める自動制御システムにより、ZEBの日射遮蔽領域で高い効果を発揮。
オフィスビルの企業誘致で重要な、WELL認証の光環境項目をクリアしつつ、高い制御性能による加点も見込めます。

複合施設の大開口窓・天井部など、テーマ性のある特殊な構造にも対応できるシステムを完備。テナント入替後の設定変更も容易です。
また酸化チタンコート仕様のスラットなど、ホコリや雑菌がつきにくい製品を展開しており、人の出入りが多い商業施設において清潔さを保つことができます。

スマートフォンからブラインドの開閉操作ができるシステムを展開。ブラインドをIoT化することで、居住者の負担を軽減しつつZEH実現に向けた省エネが可能。
また、多彩なカラーやミリ単位でオーダーできるロールスクリーンにより、住宅コンセプトに合ったデザインを叶えられます。